太陽光発電システムとは、「太陽電池」という装置を使って、太陽の光エネルギーから電気をつくる仕組みのこと。家庭内の様々な家電製品に電気を供給することができます。
もしも、地球に降り注ぐ太陽のエネルギーをすべて電気に変えることができたら、世界が1年間に使う電気を、わずか1時間でまかなえるほどの量になります。しかも、太陽は毎日出てくるので、エネルギーがなくなる心配もありません。
太陽電池は太陽の光エネルギーを吸収して電気に変えることができます。太陽電池の中には半導体という材料が入っていて、この材料に光を当てると、光の強さに応じて電気が発生します。名前に「電池」とありますが、電気をためることはできません。
太陽電池は、太陽の光が当たる場所ならどこにでも置くことができますが、日当たりの良い建物の屋根に置くのが一般的です。屋根の材料と一体化したものもあります。
リチウムイオン蓄電システムは昼間に太陽の光でつくった電気をためておいて、夜間や雨の日に使うことができるシステムです。また、電気代が安い夜に電気をためて、昼間に使って電気代を節約することもできます。
住宅用の蓄電システムには、リチウムイオン電池が使われていることが多いです。
蓄電システムを使うことは、水をタンクにためることと似ています。雨が降っているときに水をためて、雨がやんだらその水を使うのと同じように、太陽がでているときに電気をためて、太陽がでていないときにその電気を使うのです(太陽光発電システムからの充電の場合)。
リチウムイオンという物質が電池の中を行ったり来たりすることで、繰り返し電気をためたり使ったりすることができます。
昼間は太陽の光でつくった電気を使いながら、余った電気を蓄電池にためます。夜間は蓄電池の電気を使い、足りない分だけ電力会社から買います。電気代の節約と電力の自給自足が可能になります。
停電時の給電イメージ(昼間の場合)
太陽光発電システムは、太陽が出てさえいれば電気をつくることができます。そして、蓄電システムでは、太陽光発電でつくった電気をためておくことができます。つまり、災害などの停電時も電気を使うことができます。
太陽光発電システムと蓄電システムは、クリーンなエネルギーで大きな可能性があります。もしすべての家の屋根に太陽光発電システムが設置されたら、かなりの量の電気をまかなうことができるかもしれません。
しかし、太陽光発電や蓄電池の効率をもっと上げることや、うまく活用する仕組みを整備することなど、解決すべき課題も多く残されています。