ポイント1
気候変動COPとは
ねえ、テレビで「COP29」のことを放送していたけど、COPって、水を飲むコップのこと?
うーん?
なんか地球のことを話し合う大事な話し合いみたいだったよ。
えー、大人の難しい話かな?
ぼくたちには関係ないんじゃない?
ちがうぞ、キミたち!
COPはキミたちの未来にとってとっても大切な会議なんだ!
わあ! スマートライフマン!
大切な会議って、どういうこと?
COPは、世界中の国が集まっておこなう、地球温暖化を止めるための作戦会議なんだ。君たちが大人になったときに、地球温暖化が進まないように、みんなで知恵を絞っているんだよ。
へえ~、じゃあぼくたちにも関係がある会議なんだね。
よし、じゃあ、COPのことをもっとくわしく説明していくよ。
きっと、君たちも地球を守るヒーローになれるはずさ!
気候変動COPのはじまり
1992年、世界中の国が参加して、地球の温暖化を防ぐために、「気候変動枠組条約」という約束(国際条約※1)をつくりました。この条約に参加している国(締約国※2)が、約束を守るために話し合ったり、目標を決めたりするための会議が、COP(コップ※3)です。気候変動COPは、1995年から毎年おこなわれています。
※1国際条約とは、いろんな国が「これを守ろう! 」と約束するルールのことです。たとえば、
地球温暖化を防ぐためのルールや、戦争を防ぐためのルールなど、世界中の国々が協力して決める約束です。地球温暖化を防ぐための国際条約「国連気候変動枠組条約」は1992年にできました。
※2締約国とは、国際条約を守ると決めた国のことです。気候変動枠組条約の場合、2022年10月時点で198の国が参加しています。
※3COP(コップ)は締約者会議を意味する英語「Conference of the Parties(カンファレンス・オブ・ザ・パーティーズ)」の頭文字をとったものです。
ポイント2
気候変動COPってどんな会議?
気候変動COPで話し合われること
約束を決める
- 国々が集まって、二酸化炭素(CO2)を減らすためにどのくらい頑張るか、お金をどれだけ出すかなどを決めます。みんなで守る約束をつくります。
新しい決まりをつくる
- 地球を守るための新しい決まりを考えたり、今ある決まりを良くしたりします。
お金のことを話し合う
- 地球を守るためのお金をどう集めるか、どう使うかを決めます。特に、お金が足りない国を助ける方法も考えます。
科学者の話を聞く
- 地球の様子を調べている科学者から、最新の情報を教えてもらいます。それを元に、どうすればいいか考えます。
いろんな人の意見を聞く
- 国の代表だけでなく、会社や環境を守る団体の人たちの意見も聞きます。
困っている国を助ける
- 温暖化で困っている国を、どうやって助けられるかを考えます。
COPでは、みんなで力を合わせて地球を守るために、たくさんの国が真剣に話し合っています。しかし、国によって考え方が違うので、みんなが納得する答えを見つけるのが難しいこともあります。そんなときでも粘り強く話し合いを続け、みんなで少しずつ協力して、地球のためになる方法を見つけていこうとしています。
ポイント3
気候変動COPの歴史
1992年 |
地球サミット(ブラジル・リオデジャネイロ) 気候変動に関する約束(国際条約:国連気候変動枠組条約)ができました。
地球温暖化を防ぐために、世界中の国が協力することを決めました。 |
1995年 |
COP1(ドイツ・ベルリン) 初めてのCOPが開かれました。 これからどうやって温室効果ガスを減らすかが話しあわれました。 |
1997年 |
COP3(日本・京都) 「京都議定書」という大切な約束ができました。 先進国が温室効果ガスを減らす具体的な目標や期限が初めて決められました。 |
2015年 |
COP21(フランス・パリ) 「パリ協定」という新しい約束ができました。 世界の平均気温上昇を2℃より低く、1.5℃に抑えようと努力するということを決めました。先進国も発展途上国も、みんなで協力して温暖化を防ぐことになりました。
日本では、パリ協定を受けて、2030年までに2013年とくらべて温室効果ガスの排出量を半分近く減らすこと、また2050年までの「カーボンニュートラル」をめざしています。 |
2023年 |
COP28(アラブ首長国連邦・ドバイ) パリ協定の目標に対する進み具合の見直しが完了しました。新しく、気候変動で困っている国を助けるための資金を集める制度が決まりました。 |
2024年 |
COP29(アゼルバイジャン・バクー) 経済が発展している国々が、気候変動で困っている国々を助けるため、2035年までの資金目標を設定しました。 |
チェックポイント
気候変動COPは、地球温暖化という大きな問題に対して、世界中の国々が協力して取り組む大切な会議です。
発展
クラスの環境COPを開催してみよう
さあ、キミたち! COPのことがよくわかったかな?
うん!
世界中の国が集まって、地球を守るために話し合うんだね。
なんだか大きな話だったなぁ。
ぼくたちにも何かできることはあるのかな?
そうだな...例えば、
クラスで環境COPを開いてみるのはどうかな?
クラスで環境COP?
どういうこと?
クラスの中で環境問題について話し合って、みんなでできることを決めるんだ。例えば、教室のごみを減らすとか、電気の無駄づかいを止めるとか。
わあ、それおもしろそう!
クラスみんなで地球のことを考えられるね。
クラス環境COPのすすめかた
ステップ1
- クラスの環境をよくするための会議を開きます。
クラスの中で、議長を決めましょう。
ステップ2 問題提起
- 「クラスの環境」に関する課題を挙げ、この会議でのテーマを決めましょう。
- テーマの例:
教室のごみをへらしたい
電気の無駄遣いをへらしたい
休み時間の騒音をへらしたい
ステップ3 個人で考える
- みなさん一人ひとりが、問題に対する解決策を考えてみましょう。
ステップ4 グループ討論
- グループに分かれ、各自の案を共有し、グループの提案としてまとめてみましょう。
ステップ5 全体会議
- 各グループが提案を発表し、全員で質問や意見を出し合いましょう。
ステップ6 決議
- クラス全体で話し合い、実行可能な解決策を選びましょう。
- どんな点を考えて解決策を選ぶかは、専門家(先生)と相談しながらクラス全体で決めてみてください。
- たとえば、案ごとに「実際に実行できるか」、「実際にかかる時間」、「実行したときの効果」 などで点数をつけてみても良いでしょう。
- 意見が違うときは、どうしても譲れない部分を伝えたり、譲ることができる部分を考えて、みんなが納得できる解決策をつくってみてください。
そして、完成した解決策は「クラスCOP合意」として共有しましょう。
会議の後 運用
- COPは定期的におこなうことも大切です。
- 合意がきちんと実行できているかを確かめ、必要な時には、目標や解決策を修正したり、新しい目標をたてたりしましょう。