ポイント1
二酸化炭素(CO2)が増えた影響で
気温が上がり続けている
地球温暖化が進んでいくと、どれくらい暖かくなっちゃうのかしら?
世界中の専門家が協力して、気温や海面の上昇などの気候の変化を予測しているんだ。まずはそのデータを見てみよう!
地球が暖かくなると何が変わるのでしょうか?
増えすぎたCO2が太陽の熱を地球の大気中に閉じ込めてしまうことで起きている地球温暖化。世界中の専門家や政府が協力して調べたところ、このまま温暖化が続くと1850年~1900年のころと比べて2100年には気温が最大5.7℃も上がってしまうと予測されています。
そのように気温が上がることによって南極や北極圏の氷が溶けて、海面が最大1.01mも上がってしまうとも言われています。それだけではなく、地球のいろんなところで悪い影響が出てくるといわれています。地球が温暖化すると、どのような影響があると考えられるでしょうか。
参考:IPCC第6次評価報告書WG1 SPM B.1.1
IPCC第6次評価報告書WG1 SPM B.5.3
※1995年~2014年と比べた2100年の平均海面水位
気温の変化の予測を見てみよう
世界中の専門家が、自然現象、人類の活動、温暖化対策など、さまざまな可能性や条件を考えに入れた「シナリオ(すじがき)」をつくり、気温がどのくらい上がるかを予測しました。化石燃料を使った場合はもちろんですが、2050年まで対策を行った場合でも気温の上昇が予想されています。
1850~1900年を基準とした世界平均気温の変化の予測

参考:IPCC第6次評価報告書WG1 図SPM.8
チェックポイント
充分な温暖化対策ができなかったシナリオでは、2100年に平均気温が5.7℃上昇し、海面水位が1m以上上昇すると予測されています。
ポイント2
日本でどのような変化が予測されているだろうか?
世界中で気温が上がり、海面も上昇するんだね。
日本でも温暖化の影響は予測されているの?
もちろん! 日本でも気象庁が温暖化の予測を発表しているよ!
くわしく見てみよう!
21世紀末の日本は、20世紀末と比べ・・・
今よりも、地球温暖化の対策を行わなかった場合に、日本の周辺の気候がどう変化するかを、気象庁が行った予測から見てみましょう。
年平均気温は、
最大約4.5℃上昇
猛暑日や熱帯夜はますます増え、冬日は減ることが予測されています。
海面水温は、
最大約3.58℃上昇
温まりやすい陸地に近いことや暖流の影響で、予測される上昇量は世界平均よりも大きくなっています。
激しい雨が増えて、
降雪・積雪は減少
1時間に50mm以上の雨の頻度は 約2.3倍に増えると予測されています。
強い台風の割合が増え、
台風の雨と風は強まる
暴風、豪雨、高潮などの災害が起こる可能性が高くなると予測されています。
※21世紀末の世界平均気温が、工業化以前と比べて3.2~5.4°C(20世紀末と比べて2.6~4.8°C)上昇する可能性の高いシナリオによる予測。
参考:文部科学省及び気象庁「日本の気候変動2020」を基に家電製品協会が作成
チェックポイント
地球温暖化の対策が十分ではない場合、日本でも、気温や海水温が上昇し、豪雨や台風の被害が増えると予測されています。
うむむ、かなりの変化が予測されているね。
気温や海面水位に変化がおきると、どんな影響があるか考えてみよう!
ポイント3
気候の変化で地球には
どのような影響がでるだろう?
わたしたちの暮らす地球では、目に見えない小さな生物から人間や樹木のような大きい生物まで、すべての生き物がバランスを保って暮らしています。気候の変動が急激に進むと、生き物のバランスが崩れ、生き物たちの住む場所が変わったり、活動する時期がずれたりすることが予想されています。また、気候の変化や生物のバランスの崩れは、食料や水の確保といった人間の暮らしにも大きく影響をもたらします。皆さんの暮らしている地域では、どんな影響が考えられるでしょうか。
生き物への影響を見てみよう
出典:全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)ウェブサイト 1998/阿嘉島臨海研究所
サンゴの白化現象
海の温度が高くなると、サンゴは白化(はっか:白くなること)してしまいます。白化したサンゴは弱くなり、死んでしまうことも多くなります。サンゴ礁がなくなると、たくさんの海の生き物たちが住む場所を失ってしまいます。
出典:全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)ウェブサイト © 2019/Tomo Akiyama
絶滅の危機にあるホッキョクグマ
地球温暖化によって北極圏の氷が減っています。ホッキョクグマは、重要な生息場所の海の氷が減ってしまうことで、絶滅の危機にあるといわれています。
人間の暮らしへの影響を見てみよう
水や食べ物への影響
- 飲み水や食べ物が足りなくなる場所が増える。
- 野菜や果物が育ちにくくなったり、家畜の元気がなくなったりする。
- 海が温かくなり、捕れる魚が変わったり、減ったりする。
人の健康への影響
- 水害や水不足、干ばつなどにより食料不足が発生する。
- 暑さによる熱中症で死んでしまう人が増える。
- 蚊や、水で広まる感染症が増える。
街や暮らしへの影響
- 強い台風やゲリラ豪雨、高潮の増加で、水害が増える。
- 水や食物をこれまでと同じように使うことが難しくなる地域が増える。
- 暮らしに適した場所が減り、移住しなければならない人々が増える。
参考:環境省 IPCC第6次評価報告書の概要-第2作業部会(影響、適応、及び脆弱性)
全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)ウェブサイト
チェックポイント
地球温暖化の影響は、一つ一つがばらばらに発生するとは限らず、いくつかの影響がからまりあって同時に、または次々と起こることが予想されています。
ここで紹介したのは、予測された影響の一部にすぎないんだ。
他の影響を考えたり、調べたりしてみよう!
まとめ
地球温暖化の影響を最小限にとどめるために
わたしたちにできることはあるだろうか?
地球温暖化の原因とは
- 地球温暖化により、気温の大幅な上昇や、海面水位の上昇が予測されています。
- 日本でも気候の変化による影響が予測されています。
- 地球温暖化は、地球上の生物や人間の暮らしにさまざまな影響をもたらし、保たれてきた自然のバランスを崩してしまうことが心配されています。
地球温暖化はわたしたちの暮らしにも影響するんだね。
どんな問題が起きそうか、そしてそれを防ぐにはどうしたらよいか考えてみよう。
野菜や果物が採れる場所が変わったり、時期がずれたりするかしら?
大雨や台風の災害の影響も心配。
海で採れる魚や貝も変わっていくんじゃないかな?
どんな変化がおきていくんだろう?
温暖化について、さらに調査を進めたり、
できることを考えてみよう
地球温暖化が進むと、わたしたちの生活にも大きな影響がでてきそうですね。
友達と話し合ったり、インターネットや図書館で調べたりして、以下のようなことを考えてみましょう。
地球温暖化をさらに調べよう
- 地球温暖化のしくみや原因はなんなのでしょうか?
- おうちで使っているエネルギーにはどのようなものがあるでしょうか?
- おうちや学校でできる温暖化対策はあるでしょうか?
もっと地球温暖化の事を調べてみよう!
地球温暖化対策にはどんな方法があるのかな?次のページで確かめてみよう!