地球温暖化 の原因となるCO2(二酸化炭素)を減らし、地球全体で気温の上昇を抑えるために、2050年までに「カーボンニュートラル」を実現することが必要といわれています。
ポイント
地球温暖化を防止するために、世界中で行われているCO2を全体としてゼロにする取り組み
世界中の国々が参加した地球温暖化対策の取り決め、「パリ協定」では、世界の平均気温上昇を産業革命の前とくらべて1.5℃に以下とすることを目標としました。この目標を達成するためには、2050年までに大気中に排出されるCO2を、世界全体で全体としてゼロにする必要があるとされています。
「CO2が全体としてゼロ」とはどういうことでしょう
わたしたちの生活を支えているさまざまなエネルギーの多くは、石油や石炭などの化石燃料を燃やすことで作られています。そして、化石燃料が燃えるときに、大量のCO2が発生しています。わたしたちの暮らしが便利になものになればなるほど、CO2が増えることになり、地球温暖化を加速させているのです。
「CO2を全体としてゼロにする」とは、わたしたちの暮らしのために排出されるCO2の量から、森林などが吸収するCO2の量を引いたとき、答えが「ゼロ」となる状態です。これを「カーボンニュートラル」とよんでいます。
参考:資源エネルギー庁 ウェブサイト 「カーボンニュートラル」って何ですか?(前編)~いつ、誰が実現するの?
産業革命
簡単な道具を使ってものをつくっていた時代から、化石燃料を燃やして動く機械を使って、ものを大量につくる時代への変化のこと。約200年前に起こりました。産業革命後、電気などのエネルギーを作るためにたくさんの化石燃料が燃やされ、たくさんのCO2が排出されました。地球温暖化を起こすと言われるCO2は、今も大量に排出されています。
パリ協定(2015年採択、2016年発効)
2015年12月、フランスのパリで「主要排出国を含むすべての国が協調して温室効果ガスの削減に取り組む」という国際的な約束がされました。この「パリ協定」では、世界の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5 ℃に抑える努力を追求することを目的としています。
カーボンニュートラルの実現には、わたしたち一人ひとりの省エネの努力と、新しい技術の活用が必要です。
まず、化石燃料を使わない発電をしたり、使う電気をできるだけ少なくすることで、そもそも
排出されるCO2をできるだけ減らすことが必要です。しかし、CO2の発生を減らすことが難しい分野があり、完全に排出をゼロにすることはできません。ゼロにはできないCO2の排出分を埋め合わせるために、CO2の「吸収」や「除去」をおこなうことが考えられています。
たとえば、光合成でCO2を吸収する植物を増やすことが考えられます。さらに、発生したCO2を回収して溜めたり、再利用したりする新しい技術の研究も進められています。
参考:資源エネルギー庁 ウェブサイト 「カーボンニュートラル」って何ですか? / カーボンリサイクルについて
日本を含む120を超える国と地域が、カーボンニュートラルへの参加を表明しています(2020年12月現在)。
出典:経済産業省ウェブサイト 2050年カーボンニュートラルを巡る国内外の動き
わたしたちの生活を支えるエネルギーを作るために排出されたCO2が日本全体の排出量の中でも大きな割合を占めているといわれています。
わたしたちが暮らしの中で地球温暖化の防止(CO2の排出を減らす)に協力できることは、一人ひとりがエネルギー使用の無駄をみなおして、無理なく節電に取り組むことなのです。